コロナワクチンによる副反応の特徴
新型コロナウイルス予防接種の予約が鹿児島でも始まりました。ワクチン接種にあたっては、様々な副反応の報道もあり、接種に消極的な方もいらっしゃると思います。今回はコロナワクチンによる副反応についてまとめたいと思います。
コロナワクチンで認められる副反応
米ワクチン実施諮問委員会(ACIP)の報告書から、2021年1月下旬までに報告されている、ファイザーのワクチン接種後7日以内に報告された副反応と確率を見たデータが下記の表です。
《ワクチン接種後の主な副反応 ファイザー社》
症状 | ワクチン1回目接種後 | ワクチン2回目接種後 |
---|---|---|
注射部位付近の痛み・腫れ | 67.7% | 74.8% |
倦怠感 | 28.6% | 50% |
頭痛 | 25.6% | 41.9% |
筋肉痛 | 17.2% | 41.6% |
発熱 | 7.0% | 26.7% |
関節痛 | 7.4% | 25.2% |
悪寒 | 6.8% | 26.7% |
吐き気 | 7.1% | 11.2% |
浮腫 | 7.0% | 13.9% |
データ上は1回目のワクチン接種後より、2回目のワクチン接種後に副反応が起きる確率がはるかに高くなっています。
1回目の接種後に免疫反応を引き起こし、体内ではウイルスと戦うために抗体を作り始めます。2回目の接種で新型コロナウイルスのたんぱく質が体内に入ってくると、最初の時よりも強い免疫反応が体内で起こり、ウイルスに対する免疫機能は強化されます。これはワクチンが効いているという証でもあるのですが、免疫反応が強くなることで副反応も強く出てしまうのです。
その他のワクチンとの比較
ファイザー社のワクチンによる副反応を、一般的なインフルエンザワクチンと、50歳以上を対象とする遺伝子組み換え型の帯状疱疹予防ワクチン(シングリックス)と比較してみます。
症状 | ファイザー社 | インフルエンザ | 帯状疱疹 |
---|---|---|---|
注射部位付近の痛み・腫れ | 77.8% | 45.4% | 88.4% |
倦怠感 | 59.4% | 17.8% | 57.0% |
頭痛 | 51.7% | 18.7% | 50.6% |
筋肉痛 | 37.3% | 15.4% | 56.9% |
発熱 | 15.8% | 8.0% | 27.8% |
悪寒 | 35.1% | 6.2% | 35.8% |
浮腫 | 6.3% | 11.6% | 30.5% |
赤み | 5.9% | 13.4% | 38.7% |
最も多い症状は注射部位付近の痛み・腫れであり、倦怠感と頭痛がそれに続いています。このデータからは、浮腫と赤み以外の症状は、一般的なインフルエンザワクチンより発症する確率が高いと言えます。しかし、これらの症状はいずれも数日以内に改善されたという報告があり、日常生活に支障を来すほど深刻な副反応ではないと考えられます。
はやかわ循環器内科クリニック 院長 早川 裕