暑い鹿児島の夏には絶対気をつけてほしい「食あたり・食中毒」の話

みなさんこんにちは、はやかわ循環器内科クリニック院長の早川です。

鹿児島も暑くなってきましたね。

夏は栄養がつくものをたくさん食べて元気に過ごしたいものですが、食べ物が痛みやすい時期でもあります。今回は夏に気をつけたい「食あたり」についてご紹介しようとおもいます。

食あたり(食中毒)とはウイルスや細菌など、有害・有毒な物質を含む飲食物を食べた事によって起こる下痢や嘔吐、発熱などが起きる病気の総称です。

梅雨や夏の時期になると食あたりで来院される患者さまが増えてきますが、今年は昨年よりも食あたり症状の患者さまが多いように思われます。特に鶏の生食後の嘔吐、下痢で来院されています。

食中毒はその原因によって、いくつかの種類に分類されます。

細菌性食中毒感染型腸炎ビブリオ、サルモネラ、カンピロバクターなど
毒素型食品内毒素型黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌など
生体内毒素型腸管出血性大腸菌(O-157ほか)、ウェルシュ菌など
ウイルス性食中毒ノロウイルスなど
寄生虫食中毒アニサキスなど
化学性食中毒ヒ素、水銀、メタノールなど (農薬や洗剤を飲用した時などはここにあたります。)
自然毒食中毒動物性フグ毒、貝毒など
植物性毒キノコ、ジャガイモの芽、水仙など

日本国内で発生する食中毒の多くは、細菌とウイルスによるものです。

梅雨から夏の時期には細菌性食中毒が多く発症します。

食中毒の対策として気をつけるべきこととして、以下のことを注意してみてください。

・食中毒予防の3原則

食中毒への対応として最も重要なものは予防です。

しかし個人個人で食中毒が起こらないように気を付けるといっても、何に気を付けたらいいのか、どうやって対策したらいいのか具体的にわからないかもしれません。

そのため「食中毒予防の3原則」と言うものがあります。

食中毒は、その原因となる物質(細菌やウイルス)が食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発症します。
夏場の食中毒は細菌によって起こるものが多いですので、原因となる細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となります。

食中毒は毎日食べている家庭の食事でも発生しています。

家庭での発生では一般に症状が軽く、発症する人も1人や2人と少ないために食中毒と気づかれないことが多いです。まずは食中毒になる前に心がけていただけたらと思います。

原則1  食べ物に菌をつけない

手にはさまざまな雑菌が付着します。原因菌を食べ物に付けないようにこまめに手を洗いましょう。

1.     調理の前
2.     生肉や魚、卵などに触れたあと
3.     調理中、トイレに行ったり、鼻をかんだりしたあとや動物に触れたあと
4.     食卓につく前
5.     残った食品を扱う前

などは特に気をつけてください。

また肉や魚を切ったまな板や包丁から、加熱しないで食べる野菜などへ菌が付着することもあります。使用するたびに洗うなど清潔を保つようにしましょう。最近は焼き肉屋さんでお肉を扱うためのトングが置いてありますがこの理由です。

原則2   食べ物についた菌を増やさない

食中毒の原因となる細菌の多くは一般に10℃から60℃の温度で増殖します。 10℃以下では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃以下では増殖が停止すると言われています。食べ物に付着した菌を増やさないためには、お肉や魚などは購入後なるべく早く冷蔵庫に入れてください。しかし冷蔵庫に入れても、細菌は死滅することなく、ゆっくりと増殖します。買ってきた食材は早めに消費することが大事です。

原則3   食べ物についた菌をやっつける

ほとんどの細菌は加熱によって死滅します。特に肉料理は中心までよく加熱することで安全性が増します。焼きすぎても美味しくなくなりますので難しいところですが、中心部を75℃で1分以上加熱することが目安となっています。

まな板、包丁なども、肉や魚切ったあとは洗剤で洗ったり、熱湯をかけたりすると殺菌効果が期待できます。最近は調理場で使用する殺菌剤もたくさん種類が増えてきました、利用してみるのも良いかもしれませんね。

嘔吐や下痢、腹痛などの症状は、悪いものを身体の外に出そうとする正常な防御反応です。
重症にならずに済む場合も多いですが、中には生命を脅かす危険な病気も隠れていることがあります。
我慢をせずに早めに医療機関を受診してください。

鹿児島は牛・豚・鶏などお肉の生産地ということもあり、食材として扱うことが多い地域でもあると思います。美味しいだけではなく,安全にお肉を扱える人が多い地域になってほしいですね。

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