コロナ内服薬が承認!これで全て安心!というわけでは必ずしもないかもよというお話

みなさんこんにちは。

はやかわ循環器科内科クリニック院長の早川裕です。

日本における新型コロナ第6波も全国で猛威を振るっており、みなさんも気になっているところだと思います。
鹿児島でも感染者が増加傾向にあり、身の回りやご自身が感染されて不安な方も多いのではないでしょうか。
不安を抱えている皆さんは是非お近くの医療機関を頼っていただきたいと思います。

そんな中、ついに新型コロナの内服薬が承認されましたので簡単な知識をお伝えしていきます。

今回承認された、そして近いうちに承認されるとされている「モルヌピラビル」「パクスロビド」などはコロナの重症化を抑える薬です。

やっと内服薬ができ、「コロナ恐るるに足らず!自宅で薬を飲めば、入院したり医療機関に行ったりする必要がなくなるじゃないの!」となるかもしれない、といったご意見を目にすることもありますが、実際には症状がよくなる薬ではなく悪化予防のお薬なのです。
つまり「悪化しないように適切に処置して、自分の体力で良くなりましょう」というスタンスはこれまでと変わりありません。

感染―発症してしまってから症状を和らげる、いわゆる対症療法と併用する必要は今後も残っています。

では何のための薬なの?というお話をしていきます。
今回の内服薬の一番大きなメリットは「重症化による入院リスクを減らせるため、医療逼迫リスクを軽減させる」というところになります。

これまで入院して点滴治療でしか対応できなかったものが、自宅で内服薬をのんで安静にすることで治療できることになるものを考えられます。
重症化してしまい生命の危機の状態にある患者様の数を減らし、医療機関の負担を軽減することで、患者様を救える可能性が高まることが予想されます。

医療者としては大きな期待を持ってしまいますね。

副作用や厳密な適応についてはこれからも経験を積む必要はあるでしょうが、コロナ治療の新しい一歩が始まっています。

コロナは自宅で治すものとなる日が少しずつ近づいてくる予感がしているところです。

皆さんはこれまでと変わらず、うがい手洗いやマスクの着用など基本的な予防はしっかりしていただき、皆さんご自身や、身の回りの大切な人を守れるように意識を高めていってくださいね!

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