皆さん、こんにちは。
はやかわ循環器内科クリニック院長の早川です。
鹿児島でも桜島の緑が鮮やかになり、春の訪れを感じる季節となりましたね。一方で、この時期は「鼻がムズムズして集中できない」「目が痒くてたまらない」といった、花粉症の症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
実は、この時期に当院の外来で増えるご相談が、「最近いびきがひどくなったと言われる」「しっかり寝ているはずなのに、日中の眠気が強くて仕事にならない」といった睡眠に関するお悩みです。「ただの花粉症による寝不足かな?」と軽く考えがちですが、そこには「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という、心臓への負担に直結する病気が隠れていることがあります。
1. なぜ「鼻詰まり」がいびきや無呼吸を悪化させるのか
花粉症で鼻の粘膜が腫れて通りが悪くなると、私たちは無意識のうちに口で呼吸をする「口呼吸」になります。
しかし、口呼吸をすると喉の奥にある軟口蓋(なんこうがい)や舌の付け根が沈み込みやすくなり、空気の通り道である「気道」が狭くなってしまいます。狭いところを空気が無理に通ろうとする時に出る音が「いびき」であり、完全に道が塞がってしまった状態が「無呼吸」です。
もともと睡眠時無呼吸症候群の傾向がある方は、花粉症による鼻詰まりが引き金となり、症状が一段と悪化してしまうことが少なくありません。医療広告においては、こうした医学的なメカニズムを正確に伝え、患者さまが適切な選択をできるよう努めることが重要です 。
2. 循環器専門医が「睡眠」をこれほどまでに気にする理由
「心臓のお医者さんが、なぜいびきの話をするの?」と不思議に思われるかもしれませんね。
実は、睡眠中に呼吸が止まる「無呼吸状態」は、心臓にとって夜通し全力疾走をしているような過酷な負荷を強いています。呼吸が止まって血液中の酸素が不足すると、体は危機を感じて交感神経を活性化させ、心拍数を上げ、血圧を急上昇させます。
この状態が毎晩繰り返されることで、以下のようなリスクが高まることが知られています。
- 高血圧の悪化:夜間に血圧が下がらない、あるいは上昇することで、降圧薬が効きにくくなることがあります。
- 心不全や不整脈:心臓に過度な負担がかかり続けることで、心房細動などの不整脈や、心臓のポンプ機能が低下する心不全を引き起こす原因となります。
当院では、こうした心血管疾患の予防という観点から、睡眠の質を非常に重視しています。
3. CPAP(シーパップ)治療を行っている皆さまへ
現在、当院でCPAP治療を継続されている患者さまの中には、「春になってからマスクが苦しく感じる」「鼻が詰まって空気が入ってこない」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
鼻の通りが悪い状態でCPAPを使用すると、かえって不快感が増し、治療を中断したくなることもあるかもしれません。しかし、自己判断で治療を止めてしまうのは最も危険です。この時期は、花粉症の治療(点鼻薬や内服薬)を適切に組み合わせることで、鼻の通りを確保し、快適にCPAPを使い続けることが大切です。
「いびき」は単なる騒音ではなく、体からのSOSかもしれません。 特に、「日中の強い眠気」「起床時の頭痛」「夜中に何度も目が覚める」といった自覚症状がある場合は、一度睡眠の質をチェックしてみることをおすすめします。
当院では、皆さまが「ぐっすり眠って、健やかな心臓で明日を迎える」お手伝いをしています。提供される医療の内容に関し、客観的な事実に基づいた分かりやすい説明を心がけておりますので、気になる症状があればいつでもご相談ください 。
「ただの鼻詰まり」と放置せず、この春を元気に乗り切るために、まずはご自身の睡眠を見つめ直してみませんか?











