こんにちは、鹿児島市のはやかわ循環器内科クリニック院長の早川です。
CPAP治療をされている患者さんから、「今度、久しぶりに旅行に行くのですが、CPAPはどうしたら良いですか?」というご質問をよくいただきます。荷物になるから、と旅の間だけ治療をお休みしてしまう方もいらっしゃるようですが、それは非常にもったいないことです。
旅の疲れをしっかり癒し、翌日も元気に楽しむためにも、旅先でこそ質の高い睡眠が不可欠です。CPAPは、今や多くの人が飛行機や新幹線に持ち込んで、国内外を旅しています。
今回は、CPAPユーザーの皆さんが安心して旅行や出張に出かけられるよう、準備の段階から宿泊先での使い方まで、具体的なコツと注意点を解説します。
【準備編】出発前に確認すべき4つのこと
旅行の成否は準備で決まる、と言っても過言ではありません。出発前に以下の点を確認しておきましょう。
① 持ち物チェックリスト
意外と忘れがちなのが、普段当たり前に使っている備品です。以下の4点は必ず確認しましょう。
- CPAP本体
- マスク
- チューブ(ホース)
- 電源コード・ACアダプター
これらは全て、CPAPメーカーが提供している専用のキャリーバッグにまとめて収納するのがおすすめです。衝撃から機器を守ってくれます。
② 海外旅行の場合:電源プラグと電圧の確認
海外へ行かれる場合は、電源周りの確認が必須です。
- 電圧: 現在のCPAP機器のほとんどは、海外の電圧(100V〜240V)に自動で対応しています。そのため変圧器は不要なことが多いですが、念のためご自身のACアダプターの表示を確認しましょう。
- 電源プラグ: 国によってコンセントの形状が異なります。渡航先の国に合った変換プラグを必ず用意してください。家電量販店や空港で購入できます。
③ あると安心:延長コードと予備のマスククッション
ホテルの枕元に都合よくコンセントがあるとは限りません。2〜3mほどの短い延長コードが一本あるだけで、置き場所に困らず非常に快適になります。また、マスクのシリコンクッション部分が旅先で破損すると治療ができなくなってしまいます。予備を一つ持っていくと安心です。
④ 医療機器であることの証明:医師の診断書
CPAPは「医療機器」です。特に飛行機の保安検査や海外の税関で説明を求められた際にスムーズに対応できるよう、「CPAPは治療に必要な医療機器である」ことを記載した診断書(証明書)があると万全です。ご希望の方には当院で発行しますので、お気軽にお申し付けください。海外旅行の場合は、英文の証明書を用意します。
【飛行機編】保安検査と機内でのポイント
CPAPは「預けず、手荷物で」が鉄則
スーツケースに入れて預け荷物にすると、輸送中の衝撃で故障したり、万が一のロストバゲージで手元に届かなくなったりするリスクがあります。CPAPは精密機器ですので、必ず機内持ち込みの手荷物にしてください。
保安検査場ではPCと同じく、バッグから出してトレイへ
保安検査場では、ノートパソコンと同様に、CPAP本体をキャリーバッグから出して、単独でトレイに乗せてX線検査に通します。前述の診断書を係員に見せると、よりスムーズに通過できます。
機内での使用は可能?
長距離フライトの際に機内でCPAPを使用したい場合は、必ず事前に航空会社へ連絡し、許可を取る必要があります。航空会社によっては、機種の指定や、座席の電源使用に関するルールが定められています。無断で使用することはできませんのでご注意ください。
【宿泊先編】ホテルや旅館で快適に使うコツ
まずは枕元のコンセントを確認
宿泊先に着いたら、まずベッドの周りのコンセントの位置を確認しましょう。もし使いにくい場所にあれば、準備しておいた延長コードの出番です。
加湿器に使う「水」はどうする?
加湿器をお使いの方は、タンクに入れる水にも注意が必要です。機器の故障を防ぐため、水道水ではなく「精製水」の使用が推奨されています。
- 国内の場合: ドラッグストアなどで手軽に購入できます。
- 海外の場合: 現地での入手は困難な場合が多いため、ペットボトルのミネラルウォーター(硬度の低い軟水が望ましい)で代用するのが現実的です。 数泊の旅行であれば水道水を使用しても直ちに故障するわけではありませんが、帰宅後にタンクをしっかり洗浄・乾燥させましょう。
※以上の内容を抑えて出発するためにも、医師や機器メーカー、航空会社や滞在先ホテルなどへ事前相談をしておくことをおすすめします。
しっかり準備して、旅先でも快適な睡眠を
たくさんのポイントを挙げましたが、一度準備してしまえば、次回からはずっと楽になります。CPAP治療をしっかり続けることは、旅行中の日中の眠気を防ぎ、体調を万全に整え、旅そのものを最大限に楽しむための秘訣です。
旅行の計画が決まったら、証明書の準備などもありますので、ぜひお早めに当院へご相談ください。皆さんの楽しい旅を、睡眠の面からもしっかりとサポートさせていただきます。












