みなさんこんにちは。
鹿児島市のはやかわ循環器内科クリニック院長の早川です。
当院で睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査を受け、CPAP(シーパップ)治療を提案した際、多くの患者様が不安そうな表情でこうおっしゃいます。「先生、これって一度始めたら一生使い続けなきゃいけないんですか?」
毎晩マスクを装着して眠るのは、慣れるまでは大変なことです。そのゴールが見えない不安は、心臓の病気を抱える方にとって大きなストレスになり得ます。今回は、CPAP治療の「本当のゴール」についてお話しします。
CPAPは「治療」であると同時に「サポーター」
まず知っておいていただきたいのは、CPAPは視力を補う「メガネ」に近い存在だということです。メガネは視力を永久に治すものではありませんが、かけている間はクリアな視界を与え、目の疲れや事故を防いでくれます。
CPAPも同様に、保険診療で認められた標準的な治療法であり 、眠っている間に塞がってしまう気道を空気の圧力で広げ、安定した呼吸を支えるものです。治療内容の提供にあたっては、患者様が適切に選択できるよう客観的で正確な情報を伝えることが私たちの責務です 。
治療の真のゴール:その先にある「心臓と血管の防衛」
日中の眠気がなくなることは、CPAP治療の大きな成果の一つです。しかし、本当のゴールはさらにその先にあります。
SASは、寝ている間に何度も窒息状態を繰り返す病気です。そのたびに血圧が急上昇し、心臓や血管に過度な負担がかかります。これが数年、数十年と続くと、心不全や心筋梗塞、脳卒中のリスクを劇的に高めてしまいます。
私たちが目指すゴールは、「CPAPを使わなくなること」そのものではなく、「10年後、20年後も、あなたが心臓の病気で倒れることなく、元気に歩み続けていること」なのです。
CPAPを「卒業」できる可能性はあるのか?
「一生続けるのか」という問いに対し、医学的には「卒業できるケースもあります」とお答えしています。ただし、そのためには根本的な原因の解決が必要です。
- 劇的な減量: 肥満が原因で気道が狭くなっている場合、体重を落とすことで無呼吸が改善し、CPAPが不要になることがあります。
- 生活習慣の改善: 飲酒習慣の見直しや、睡眠姿勢の工夫もサポートになります 。
- 運動習慣が身に付く:呼吸に必要な筋肉がつくことで症状が改善し、CPAPが不要になるケースもあります。
ただし、治療の効果については、個々の患者様の状態により結果が異なるため 、自己判断で中断することだけは避けてください。無呼吸の状態に戻れば、再び心臓への負荷が始まってしまいます。
「おかしいな」と感じたとき、いつでも相談できる場所
当院では、CPAP治療を単なる機械の貸し出しとは考えていません。患者様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、治療の継続をサポートすることが「皆さんの身近にいる町のドクター」としての私の役割です。
もし、マスクが合わない、空気が漏れて眠れないといったお悩みがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。平均待ち時間の短縮に努め 、電子カルテを活用してスムーズな診察を心がけています 。
鹿児島で共に歩むパートナーとして
桜島が見えるこの鹿児島で、皆様が健やかな眠りを取り戻し、力強い心臓で毎日を過ごせるよう、全力でお手伝いさせていただきます。CPAPはあなたの敵ではなく、健康な未来を守るための「心強い味方」です。
共にゴールを目指して、一歩ずつ進んでいきましょう。












