みなさんこんにちは。はやかわ循環器内科クリニック院長の早川です。
2026年も折り返しを過ぎ、いよいよ本格的な夏(7月)がやってきます。鹿児島は6月は少し涼しいかなーという日も多かったですが、これから日差しも強く非常に厳しい暑さになると予報が出ています。このような時期、心臓や血管の病気(循環器疾患)のリスクが急激に高まることをご存じでしょうか。私もこれまで、この7月〜8月にかけて救急搬送されてくる患者さまを数多く診てきました。
今回は、皆さまがこの夏を健康に、そして笑顔で乗り切るための医療情報を、専門的なアプローチを交えながら分かりやすくお届けします。
1. 7月の猛暑に潜む健康の罠:「隠れ脱水」とは?
7月に入ると最高気温が30℃を超える日(真夏日)や、夜間も気温が下がらない「熱帯夜」が増加します。この時期に最も警戒すべきなのが「隠れ脱水」です。
隠れ脱水とは、本人が気づかないうちに体内の水分や塩分が失われ、脱水症の一歩手前になっている状態を指します。
- 口の渇きを感じにくい(特にお年を召された方)
- なんとなく体がだるい、頭がぼーっとする
- 皮膚がカサカサする、尿の色が濃くなる
これらは体が発している「水分不足」のサインといえます。
2. なぜ夏に「心筋梗塞」や「脳梗塞」が増えるのか?(循環器の視点)
「心筋梗塞や脳梗塞は冬の病気」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、夏の脱水は循環器にとって非常に危険な引き金になります。
メカニズムは非常にシンプルです。
- 大量の汗をかくことで、体内の水分が減少します。
- 水分が減ると、血液が「ドロドロ」の状態になります。
- ドロドロになった血液は血管内で固まりやすくなり、血栓(血の塊)を作ります。
この血栓が心臓の血管に詰まれば「心筋梗塞」、脳の血管に詰まれば「脳梗塞」を引き起こします。夏の脳梗塞は、まさにこの脱水から始まることが多いのです。
3. 今日からできる!循環器を守る夏の健康管理3つのポイント
日頃からの少しの意識で、これらのリスクは大幅に下げることができます。
①「渇く前に飲む」が鉄則 のどが渇いたと感じた時点ですでに脱水は始まっています。外出前後、入浴の前後、そして就寝前と起床時には必ずコップ1杯の水分(お水や麦茶など)を補給しましょう。サウナの前などにもぜひ水分補給をされてください。
② エアコンを上手に活用する 「電気代がもったいない」「冷えすぎるから」とエアコンを我慢するのは禁物です。室温は28℃前後を目安に調整し、夜間もタイマーを上手に使って熱中症を防いでください。
③ 無理のない範囲での体調管理 日中の炎天下での激しい運動や長時間の作業は避け、こまめに涼しい場所で休憩を取りましょう。
夏を元気に乗り切る秘訣は、特別なことではなく「こまめな水分補給」と「適切な室温管理」という基本の徹底にあります。
少しでも「いつもと違うだるさがある」「胸が締め付けられる」「突然の手足のしびれや話しにくさがある」といった症状を感じた場合は、決して我慢せず、医療機関を受診してください。当院でも、皆さまがこの夏を安心して過ごせるよう、親切・丁寧な診療を心がけております。











