みなさんこんにちは。はやかわ循環器内科クリニック院長の早川です。
「日中、しっかり寝ているはずなのにどうしても強い眠気に襲われる」「会議中や運転中に、耐えがたい眠気がくる」……そんなお悩みはありませんか?
「単なる寝不足や疲れのせいだろう」と見過ごされがちな日中の強い眠気ですが、実はその背景に、心臓や血管の重大なサインが隠れていることがあります。大病院の勤務医時代から多くの心疾患・血管疾患に向き合ってきた経験をもとに、今回は「眠気と心臓の病気」という、一見結びつかない2つの関係性について分かりやすくお伝えします。
1. 単なる疲れではない?「眠気」と「心臓」を結ぶ意外な関係
お昼ご飯を食べた後の軽い眠気なら生理的なものですが、「いくら寝ても眠い」「日常生活に支障が出るほどの強い眠気がある」という場合、身体が何らかのSOSを出している可能性があります。
循環器内科の視点から見ると、「睡眠の質を著しく下げる循環器の病気」や、「脳への血流が一時的に低下する心臓の病気」が、その強い眠気を引き起こしているケースが少なくありません。
2. 強い眠気の裏に潜む、循環器の2大疾患
日中の眠気の原因として、特に私たちが警戒する代表的な循環器の病気は以下の2つです。
① 心臓のポンプ機能が低下する「心不全」
心不全とは、心臓のポンプ機能が悪くなり、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。 夜間に横になると、身体の水分が心臓や肺に水分として戻りやすくなり、肺がうっ血して(水が溜まるような状態になり)息苦しさで夜中に目が覚めてしまうことがあります。これにより細切れの睡眠しか取れなくなり、結果として日中に激しい眠気に襲われるようになります。「寝つきは良いのに夜中に息苦しくて起きる」「最近足がひどく浮腫む」といった症状がある場合は注意が必要です。
② 心臓発作のリスクを高める「睡眠時無呼吸症候群」
睡眠中に何度も呼吸が止まるこの病気は、深い睡眠を妨げるため、日中に極めて強い眠気を引き起こします。 一時的な窒息状態によって脳や身体が深刻な酸素不足に陥るため、夜間に血圧が急上昇し、心臓や血管に過度なストレスを与え続けます。放置すると高血圧の悪化、心筋梗塞、脳卒中、心不全などのリスクを大きく高めることが分かっています。
3. なぜ心臓が悪いと眠くなるのか?
心臓の機能が低下すると、日中に起きている間も脳への血流(酸素供給)が滞りがちになります。脳へのエネルギーが不足することで、身体をシャキッと活動させるための「交感神経」がうまく働かず、強い疲労感やだるさ、そして強い眠気として現れてしまうのです。
また、不整脈(脈が急に遅くなる、あるいは飛び跳ねるように乱れる病気)によっても脳への血流が一時的に途絶え、強い眠気や一瞬の意識消失を招くことがあります。
「たかが眠気」と思って放置していると、背景にある心臓の病気を見過ごし、気づいたときには動脈硬化や心機能の低下が進んでしまっているケースもあります。特に、強い眠気に加えて「息切れがする」「胸が重苦しい」「足が浮腫む」「いびきを指摘される」といった症状が一つでもある場合は、一度循環器内科での精査をおすすめします。
当院では、皆さまが不安を抱え込まずに何でも相談できるよう、親切・丁寧で分かりやすい診療を行っています。「これって心臓のせいかな?」と少しでも気になったら、どうぞお気軽に当院のドアを叩いてくださいね。皆さまの健康な毎日と心地よい眠りを、これからも地域のかかりつけ医としてサポートしてまいります。











