皆さま、こんにちは。はやかわ循環器内科クリニック院長の早川です。
朝夕の風にほんの少し秋の気配が混じるようになってまいりましたが、日中はまだまだ鹿児島は「今日は暑いねぇ」と患者さまとお話しする日が続いております。季節の変わり目、皆さま体調を崩されてはいませんでしょうか。
この時期、「なんだか身体が重だるい」「夏の疲れ(秋バテ)が抜けない」とおっしゃる方が増えてきます。しかし、その“だるさ”や“違和感”の裏に、気温差による急激な血圧変動や心臓への過度な負担が隠れているケースが少なくありません。
今回は、10月に特に気をつけていただきたい循環器の健康管理について、わかりやすくお話しします。
1. なぜ9月に血圧が乱れやすいのか?「寒暖差」と自律神経
夏の間、人間の血管は熱を逃がすために拡張し、血圧は比較的低めに推移する傾向があります。ところが9月に入り、朝晩の気温が下がってくると、身体は体温を逃がさないように交感神経を緊張させ、血管をキュッと収縮させます。
特に注意が必要なのが、朝起きた直後の急激な血圧上昇(モーニングサージ)です。 「昨夜はぐっすり眠れたはずなのに、起きたら頭が重い」「朝の血圧を測ったら夏より20mmHg以上高くなっていた」という場合、血管に強い負担がかかっているサインです。急激な血圧の上昇は、動脈硬化が進んだ血管に過度な圧力をかけ、脳出血や心筋梗塞の引き金となることがあります。
2. 涼しさを感じる秋こそ注意!「かくれ脱水」の罠
もうひとつ見落としがちなのが「秋の脱水」です。
真夏は汗をかくため、意識して水分補給をされていた方も、9月になって朝晩が涼しくなると、喉の渇きを感じにくくなり、自然と水分を摂る回数が減ってしまいます。しかし、湿度が下がり始めるこの時期は、皮膚や呼吸から知らず知らずのうちに水分が失われる「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」が進んでいます。
体内の水分が不足すると、血液の粘度が高まり、いわゆる“ドロドロ”の状態になります。その結果、血栓(血の塊)ができやすくなり、血管が詰まるリスクが高まるほか、脈が速くなったり不整脈を引き起こしやすくなったりするのです。
3. この症状は要注意!見逃してはいけない身体のサイン
「心臓の大きな発作を起こした方の多くが、数日前から何らかの小さな違和感を覚えていた」という話もよく耳にします。
「いつもの疲れだろう」と自己判断せず、以下のような症状がある場合は、できるだけ早めにかかりつけ医や循環器内科にご相談ください。
- 階段や坂道を上ったときに、胸が締め付けられるような重苦しさがある
- じっとしていても動悸(ドキドキする感じ)や脈の乱れを感じる
- 朝、急に血圧が高くなり、ふわふわするようなめまいがする
- 横になったときに息苦しく、上体を起こすと少し楽になる
「これくらいで病院に行っていいのかな」と遠慮される必要はまったくありません。何事もなければ「安心」を持ち帰っていただけますし、早期発見ができれば負担の少ない治療で日常を守ることができます。
4. 今日からできる!秋の循環器セルフケア3箇条
日々のちょっとした心がけで、血管や心臓への負担を大きく和らげることができます。ぜひ今日から実践してみてください。
- ① 羽織るもので「寒暖差」を小さくする 朝起きて寝室から出るときや、エアコンが効いた室内から外へ出るときなど、薄手の上着やカーディガンを活用し、身体が受ける温度差をできるだけ小さくしましょう。
- ② 時間を決めて「こまめな水分補給」 「喉が渇いた」と感じる前に飲むのがポイントです。起床時、毎食時、入浴前後、就寝前のコップ1杯の水分(常温の水や麦茶など)を習慣にしましょう。
- ③ 朝晩2回の「家庭血圧測定」と記録 朝(起床後1時間以内・排尿後・朝食や服薬の前)と、晩(就寝前)の1日2回、座って数分深呼吸した後に血圧を測り、手帳やアプリに記録しましょう。診察の際にその記録をお見せいただくと、より的確な診療・お薬の調整につながります。
地域の皆さまの健やかな毎日に寄り添って
「はやかわ循環器内科クリニック」は、皆さまがいつでも気軽に健康相談ができる、あたたかい「街のドクター」でありたいと考えております。
季節の変わり目を元気に乗り越え、実り豊かな秋を健やかにお過ごしいただけるよう、気になる症状や血圧の不安がございましたら、いつでもお気軽にお話しにいらしてくださいね。











