みなさん、こんにちは。
はやかわ循環器内科クリニック院長の早川です。
鹿児島では、9月に入っても暑い日が続くことがあります。一方、朝晩や冷房の効いた室内では涼しく感じることもあり、1日の中で温度差が大きくなりやすい時期です。
この季節にみられる、だるさ、食欲低下、頭痛、寝つきの悪さなどは、一般に「秋バテ」と呼ばれることがあります。
ただし、秋バテは医学的な診断名ではありません。季節の変化だけでなく、脱水、睡眠不足、貧血、感染症、甲状腺疾患、心臓病などが症状の原因になることもあります。
今回は、残暑が続く時期に注意したい脱水と血圧変動について解説します。
涼しくなっても注意したい「隠れ脱水」
のどが渇いていなくても水分は失われます
真夏より気温が下がると、のどの渇きを感じにくくなり、水分を取る回数が減りがちです。
しかし、気温や湿度が高い日には、日中の活動や睡眠中にも汗をかきます。高齢の方は、若い方に比べてのどの渇きを感じにくいことがあるため、特に注意が必要です。
脱水が進むと、口の渇き、尿量の減少、立ちくらみ、頭痛、だるさ、頻脈などが現れることがあります。
脱水は心臓や血圧に影響することがあります
体内の水分が不足すると、循環する血液量が減り、血圧が低下したり、脈拍が速くなったりすることがあります。
高齢者や心血管疾患のある方では、脱水が体調悪化のきっかけになることもあります。一方で、心不全や腎臓病などにより水分・塩分制限を受けている方は、自己判断で摂取量を増やすと病状が悪化する可能性があります。
治療中の病気がある方は、適切な水分量について主治医に確認してください。
寒暖差による血圧変動にも注意しましょう
血管は、体温を調節するため、暑い環境では広がり、寒い環境では収縮する傾向があります。
冷房の効いた室内と暑い屋外を何度も行き来したり、急に気温が下がったりすると、血圧が変動することがあります。高血圧や心臓病のある方では、気温の変化に加えて、脱水、睡眠不足、服薬状況なども血圧に影響します。
「寒暖差があるから必ず血圧が大きく上がる」とは限りませんが、体調が不安定な時期には家庭血圧を確認することが役立ちます。
家庭で血圧を測る場合は、朝と夜の決まった時間に、椅子に座って1~2分安静にしてから測りましょう。いつもと大きく異なる値が続く場合は、記録を持って医療機関へご相談ください。
秋を健やかに過ごすための3つのポイント
1. 水分補給を生活の中に組み込みましょう
のどの渇きだけを目安にせず、起床時、外出前後、入浴前後、運動の前後などに水分を取る習慣をつけましょう。
汗を多くかいたときや熱中症の症状が疑われるときは、水分だけでなく、適切な塩分や電解質の補給が必要になる場合があります。
ただし、心不全、腎臓病、高血圧などで水分や塩分について指示を受けている方は、主治医の指示を優先してください。
2. 服装で急な温度差を調整しましょう
冷房の効いた施設や交通機関を利用するときは、薄手の上着を持っておくと体温を調整しやすくなります。
屋外で活動するときは、気温だけでなく湿度や暑さ指数も確認し、暑い時間帯の長時間の運動を避けましょう。
3. 睡眠と無理のない身体活動を意識しましょう
睡眠不足は、だるさや集中力低下だけでなく、血圧にも影響することがあります。起床時間をできる範囲で一定にし、夜更かしや寝る直前の飲酒を控えましょう。
身体活動は、涼しい時間帯に、体調に合わせて始めてください。現在あまり運動していない方は、短時間の散歩など、今より少し多く体を動かすことから始めましょう。
胸痛や強い息切れがあるとき、発熱や脱水症状があるときは、運動を中止してください。
胸の違和感や強い息苦しさがあるときは
だるさや頭痛を、すべて「秋バテ」と決めつけないことが大切です。
次のような症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。
- 動悸や息切れを繰り返す
- 血圧が普段より高い、または低い状態が続く
- めまいや立ちくらみが続く
- だるさや食欲低下が改善しない
- 尿量が明らかに減っている
強い胸痛や胸の圧迫感、突然の息苦しさ、冷や汗、失神、片側の手足が動かしにくい、言葉が出にくいなどの症状がある場合は、通常の外来受診を待たず、119番を検討してください。











