こんにちは、院長の早川です。
今日は、子どもにおける睡眠時無呼吸症候群(SAS)についてお話ししたいと思います。
大人だけでなく、子どもにもSASが影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。
小児SASとは?
小児SASは、子どもが睡眠中に呼吸が一時的に停止する状態を指します。
これは、通常、10秒以上続く呼吸の停止(無呼吸)や、呼吸が浅くなる(低呼吸)ことが特徴です。
小児SASは、特に肥満や扁桃腺・アデノイドの肥大が原因で発生することが多いです。
小児SASの症状
子どもにおけるSASの症状は、大人とは異なる場合があります。
以下は、小児SASの主な症状です。
- いびき: 大きないびきをかくことが多く、特に仰向けで寝ているときに顕著です。
- 呼吸の停止: 睡眠中に呼吸が止まることがあり、これを親が気づくことが多いです。
- 日中の眠気: 学校や遊びの時間に過度の眠気を感じることがあります。
- 集中力の低下: 学校での集中力が欠け、成績に影響を与えることがあります。
- 行動の変化: イライラや不安感、注意欠陥多動性障害(ADHD)と似た症状が見られることがあります。
また、授業中寝てしまうというと先生に指摘された、普段の生活の中で口が開いていることが見受けられる(口呼吸が多い)というお子さんも小児SASの可能性があります。不安なときは医療機関に相談することをおすすめします。
小児SASの影響
小児SASは、子どもの成長や発達に深刻な影響を与える可能性があります。睡眠不足は、学業成績の低下や行動問題、さらには心血管疾患や肥満のリスクを高めることが知られています。特に、成長ホルモンの分泌が睡眠中に行われるため、SASがあると成長に悪影響を及ぼすことがあります。
早期発見と治療の重要性
小児SASは、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。以下は、治療の選択肢です。
- 生活習慣の改善: 健康的な食事や運動を取り入れることで、肥満を防ぎ、SASのリスクを減少させます。
- 扁桃腺・アデノイドの手術: 扁桃腺やアデノイドが肥大している場合、手術によって気道を広げることができます。
- CPAP療法: 重度のSASの場合、CPAP(持続陽圧呼吸療法)装置を使用することがあります。
子どものいびきや無呼吸は、決して軽視してはいけません。小児SASは、子どもの健康や発達に深刻な影響を与える可能性があります。もし、子どもにいびきや日中の眠気、集中力の低下などの症状が見られる場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。
当クリニックでは、小児SASに関する専門的な診断と治療を提供しています。
お子様の健康を守るために、ぜひお気軽にご相談ください。